mixed Emotion
そわそわしながら、私は美玖の家に向かった。


私の気持ちをよそに、美玖は部屋に入るなりベッドに飛び乗り、仰向けになった状態で、つぶやくように言った。



「大樹に・・・会わなきゃ」


重い一言に、私は少し落胆した。


「やっぱり・・・まだ好きなの?」


遠慮がちに私は聞いた。

「うーん…もうずっと一緒にいるからね。あいつ私がいないと何にもできないから、絶対淋しい思いしてると思うと、心配。」


美玖は真顔で天井を見ていた。

私は少し考えてから美玖の方を見ずに言った。



「でもそれってさ・・・」

「うん・・・」

「好きとは違うんじゃない?」

私は美玖の横たわったベットに耳を付けた。

「そうだね」


美玖はまた泣いた。

私も泣いた。

愛って難しい。


「やだーなんでゆりが泣くの?」


「美玖の気持ちはなんとなく分かるもん。でも、これ以上美玖が傷つけられるのはいやだよ。」


私は目のまえに投げ出された、美玖の腕の傷跡を痛々しくて見ていられなかった。


「分かってるよ。ごめん。は〜過保護な親が2人もいるから大変だ。」


美玖は泣きながら、久しぶりにちょっと笑った。
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