mixed Emotion

三ツ葉の絆

−1年後 春−

向かいの犬がキャンキャン吠えている。4匹の子犬を産んで、騒がしさも4倍だ。

「ゆり、早くしないと遅刻するわよ」

「分かってるよー」

私は勢い良く玄関のドアを開けた。

「ごめん、お待たせ」

「おはよう、おまえいつもおせーんだよ」

口の悪いこの男の子は、同い年の私の彼氏。ぶっきらぼうだけど、本当はすごく優しい。



2人でいても、あのコンビニを通り過ぎる時だけは、未だに胸がきゅっとなる。



だけど今、1年前の私と話せるなら、教えてあげたい。



今はただつらくても、悩んで迷って泣いたことが、その後の糧となるから。


いつか笑って想い出話に出来る日が、



絶対にやって来るからと。
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