mixed Emotion
私の髪の毛が染まるまで、美玖は彼氏と電話したり、メールしたりと忙しそうにしていた。

それにひきかえ私の携帯はというと、実につまらなさそうに、ただじっとしているだけだった。

ようやく私の髪の毛はきれいな栗色に染まった。
「いーじゃん!あんたかわいくなった!」


出来上がった私の髪を見て美玖は私より興奮していた。

「印象変わりましたね、顔写りもよくなったし。」

美玖の知人美容師さんも満足気だ。


「ほんと?やったぁ」

私は素直に喜んだ。

髪を染めただけなのに、全然違う自分になった気がする。

はやく、つかさ君に会いたくなった。

レベルアップしたような気持ちで家に帰ると、雷が落ちた。

もちろん、お母さんの。
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