mixed Emotion

カンガルーのポッケ

「ちょっと!ゆり、どうしたのよその頭!!」

私を見るなりすごい剣幕で詰め寄ってきた。

「すぐもとに戻しなさい!」

許してくれそうな気配は1ミリもない。

「別にいいじゃん、夏休みなんだし。」

私は反抗的な態度に出た。普段口答えなどしないので、母は少し怯んだ。

その隙に2階へと上がった。

「何かあったの?悩んでるなら相談して。」

下から母の声が聞こえてくる。

髪の毛を染めただけでなんでそうなるのか。

私は親の心境を全く理解できずに自分の部屋に戻った。

心の中はもやもやしたがこれでいいんだと思った。

私だってやりたいことをやるんだから。

もう高校生だ。

おしゃれくらいしたい。
私は机の上に置いていた雑誌をめくった。

同い年の女の子がいっぱい掲載されている。

染めている子も、厚化粧の子もいっぱいいる。


大丈夫、私は間違っていない。
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