キミは許婚
でも正直に認めた聖に好意を示して、あえてそこには触れないであげよう。
「一番後ろの方が恐いの? なんで? 一番前の方が恐いんじゃないの?」
「お前、何考えてんだ! 後部座席はスピードが一番速いから恐さを感じやすいんだぞ!?」
「そうなんだ! 速いのは一番前かと思った。なら得した気分。あ、出発だって!」
「そりゃ下った後、上る時の速度は一番前が速いが下りの時のスピードは……」
コースターが出発しだしたというのに、聖は語りを止める気配がない。
内容はスピードの理論からレールが見えない恐怖の話に変わっていった。
……恐さを紛らわせてるのかな?
可笑しい。
……でも……ちょっと可愛いかも。