キミは許婚
二人で会話をしている時もカメラは何度もシャッターを切った。
聖は慣れている様子だけど、あたしはやっぱり落ち着かない。
早くこの場を去りたい、と思った時、聖が記者に向かって口を開いた。
「すみませんがこちらの女性は一般人です。写真は控えてください」
聖の毅然とした態度にカメラが一時的に止む。
だが記者の質問攻めは続いた。
「上条社長、そちらの女性とのご関係は?」
「いつか発表する予定です。それまではお応えできません」
「ということは結婚間近と考えてよろしいですか?」
「……そうとはお応えしていません。失礼致します」
尚もシャッターを押し続ける無遠慮な記者にも聖は一礼してあたしの手を引いた。