キミは許婚


でも今日は予定があるって言ってたのにな。


そう思いながらも車の横で立ち止まると、中から黒いスーツを身に纏った男の人が出てきた。



眼鏡を掛けて口元には微笑みまで携えて。


見るからに紳士的な感じ。



なんだ。


聖じゃないじゃん。



……ってあたし、なんか残念がってない!?


まさか期待してたわけじゃないよね!?



自分に気持ちを問いかけていると、その男の人があたしに近寄って来た。
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