キミは許婚


父は寝ている時より顔色がいいものの、やはりまだ血の気が完全に戻ってはいない。


病人の顔つきだった。


心なしかこの何時間で痩せたような……いや、それは幻覚かな。



「お母さんとはもう話したの?」


「まだだ。今わしも目覚めたばかりだからな」


「えぇ!? じゃぁ早く起こして……モガ……」



大きな声を出したあたしの口をすかさず父の分厚い手が塞ぐ。



「まだ寝かせておいてやれ」


「で、でも……お父さんのこと心配してたから早く安心させてあげたいじゃない!」


「心配かけたことは自覚している……だが、今起こしてわしみたいに倒れられては困るからな」



……それはちょっと違う気がするけど……。
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