キミは許婚


「……初めてだったのに……!」


「初めて? キスが?」


「あ……!」



上条さんはこの世のものと思えないものを見るかのような目で、俯いたあたしを覗き込む。



言ってしまった、と思った時にはもう遅い。



本当はこんな人に「初めて」だなんて言いたくなかったのに。


「遅いな」なんて言って鼻で笑われるだけだもん。
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