キミは許婚


自分の心臓に気をとられていると、聖はゆっくり顔を近づけてきた。



「でも本当は……明の姿、誰にも見せたくないから」



チュッと唇へキスを落とすと、おでこ、まぶた、目尻、鼻、頬、耳……顔の至る所にキスをくれた。



誰にも見せたくないからカーテンを引いたってこと?



聖……バカだなぁ……。



だって、ここ43階でしょ?


近くに同じくらい高い建物は無いよ?


誰も見えるはずないでしょ……?



聖の思考を読みとると、思わずクスリと笑みがこぼれてしまう。



「余裕で笑っていられるのも……もう終わりだ」



余裕なんて全然なかったけど、ほころんだ口を聖が熱く塞いでくる。

< 502 / 533 >

この作品をシェア

pagetop