キミは許婚
あたしの返事を聞いた哲太は「ヨシ!」と満足したように笑って頷くとテレビを見だした。
……ヨシ、じゃないよ!
あたしの心拍数、平常に戻してよ!!
未だバクバクと哲太に聞こえそうなほど音を立てる心臓のまま、あたしもテレビの方へ向いた。
聖の話が続いている。
『で、そんなやりきれない気持ちのまま、業界の方達に挨拶周りをすることにしたんです。
そこである会社の社長のお宅へお邪魔させてもらったのですが……』
『では、その社長様から何かお言葉をいただいて、仕事に対してのお気持ちが変わられたのですか?』
『いえ。実はその社長の娘さんに……』
『まぁ! 娘さん!?』
テレビの中の聖は淡々と語り続け、お姉さんもうまい具合に相槌を返している。