ココロノカケラ

で、案の定ソウマは

手を滑らせた。


「ソウマ、危ない!!」


ぶすっ。

ソウマの三角刀は見事に左手の人差し指に刺さった。

あたしは彫刻刀を放り出した。

止血!!

突然、嫌なことを思い出した。

ソウマは恐ろしく血が苦手なのだ。

ソウマの体を押しのけて、

血が出ないように指で傷口をつまんだ。

血が吹き出るちょっと前。

それでも、見上げたソウマの顔は、

蒼白で。

このまま気絶でもしたら、

ソウマの評判が、

あたし並にガタ落ちになる。


「先生!保健室行ってきます!!」




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