ココロノカケラ

あたしはソウマの体を

空いている左手と肩で支えるようにして、

立たせた。


「誰か、ドア、開けてあげなさい」


ドアが開く。

あたしは、ソウマを引きずるように歩かせた。

廊下に出ると、


「しっかりして。まだ。

流血してるの見てないんだから」


小声でささやいた。


「わかってる。けど」


ぐらっと、ソウマの体が揺れた。

気絶したかも。

そう思った瞬間、

重い体がのしかかってきた。



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