恋し金魚
第七章 願い
それから…私たちはアパートへ帰った。



おばさんは私をぎゅっと抱きしめて


「おかえり」



と言ってくれた。






「花火ちゃん」



「呼び捨てでいいのに」



「や…なんか最初っからそうやって呼んでたから…なんか」



「じゃあたまに呼び捨てで(笑)」



「うん。」



カエルの声が遠くで聞こえてくる。



なんか心が安心してる…



どうしてだろう?





「花火ちゃん…その…明日さ、どっか行かない?」




「えっ。どこに?」



「んー…どこ行く?なんか普通にブラブラするとか…」



「うんっ。行きたい!」



「んじゃ明日10時に迎えにくるよ。」






―翌日。





「おばさん…大変」



「あらあら、どうしたの!?」









「着ていく服がないの…。」




「あら。」



「よく考えたら私ワンピースしか持ってなくて…」




「かわいいわよ!そのワンピース。」





「ほ、本当に~?」




「自信もって!行ってらっしゃい!」




「行ってきます。」




扉を開けると光がさした。



すごくいい天気…




「あれ、花火ちゃん!迎えにいくって言ったのに。」



「待ちきれなくて」




「ははっ。んじゃ行こ」





そしてついた場所は遊園地だった。



「花火は初めてだよね?」



「す…すごぉーい!!何あれー!!」



「何乗りたい?」




「あれ!」


私が指さしたのはジェットコースター。





そして次々に回って遊んだ。




「ソフトクリーム食べる?」


「うん。」



小さな屋台でアイスを買っているとき。


イスに置いてあったラジオが鳴った。
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