恋し金魚
『いや~今日は快晴ですね!もう梅雨明けしましたね。明日も…』



え……





梅雨明け……?





「幸くん…っ夏祭りっていつ!?いつなの!?」



「えっ?どうしたの?夏祭りなら8月12日だと思うけど…」





8月12日…





「今日… 何日…」




7月25日







ドクン





ドクン













タイムリミットが近づいてる。






時間は止まらない。









「花火ちゃんどうしたの?」







「ゆ…幸くん…私……」




「ん?」





「死んじゃうの…」







「……は? 何それ… なんの冗談?おもしろくないよ?」



「冗談なんかじゃないよ!」








「夏祭りの花火が上がったら…私消えちゃうの…」










「……なんで…」







「私、金魚のとき病気だったんだ… もうすぐ死んじゃうんだったの… でも…幸くんにどうしても伝えたかったから…… 人間になったんだよ?
後悔なんてしてない
だって今すごく幸せ…… 幸くん」













「…だから…っ泣かないで…」










幸くんは私にしがみつきながら…










泣いていた。






声を出さずに






私達は泣いた。
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