空の姫と海の王子
「あら、意外に根性あるのね。私の言葉に従えば楽になれるというのに」
「久し振りだね、リベル」
「葵様っお久し振りですわ」
綺麗に纏められた金色の髪に
ヨーロッパの絵本のお姫様が
着ていそうな立派なドレス
そして、茜色の瞳
リベルは葵に優雅に一礼すると
手に持っていた扇で奈々を示した
「葵様、この女共は能力者で無いのに何故……」
「目をよく見てごらん。まだ能力は無いけど、覚醒したら厄介な色してるだろ?」
「紫に赤……原色という事は、自然系……!?」
リベルは眉間に皺を寄せるが
すぐにバッと扇を開いて微笑む
陸は状況が理解出来ずに
その場に立ち尽くすだけだった
「葵様、ここは私にお任せ下さい。いずれ強大な能力になるとはいえ、今こやつらは覚醒前のただの雑魚に過ぎませんわ。わざわざ葵様が手を下すまでもありません」
「……じゃあお言葉に甘えようか。俺は早く春を捕まえないといけないからね」
¨春¨
その言葉に奈々はピクリと反応した
「………春?」
「そ、俺のお姫様の名前。さっきから色んな所に逃げ回ってるみたいなんだよね」
逃がす訳無いのにね
そう言って笑った瞬間
奈々の中で何かが切れた
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