月夜にヒトリゴト

心のバランスをとって生きていくことは、本当に難しいと、こんな年になっても感じる。
私は、三人の子供がいながら、もうすぐ40歳という大台に乗るという年齢に差し掛かってるというのに、“初恋”に翻弄されてしまった。

馬鹿なことよと思われるかもしれない。
それでも、真剣だった。
本当に好きだった。
言葉を素直に受け止め、まっすぐに信じて、ただただ待ち続けた。

そう、やはり、馬鹿なんだと思う。
恥を知らないといけないのかもしれない。

圭亮にとっては、後悔しか残らない思い出かもしれない。

それでも私は違う。

そんなに辛かったとしても、きつかったとしても、この数ヶ月、ちゃんと、私は私自身の心にまっすぐに向き合えた。
素直に、自分を受け止めてあげられた。

こんな結果になってしまったけれど、私は充分頑張ったし、よく耐えたと思う。

後悔してはいない。
こうなる運命は解っていて、突き進んだ恋に違いなかった。
きっとそうだったんだ。

私は、こんな年になって初めて気づいた事がたくさんあり、学んだことも多い。

これもきっと、人生において、何かしら意味はある。
きっと、意味を持たせる生き方ができる。

私は、そう信じて、前を向いていくしかない。
< 40 / 44 >

この作品をシェア

pagetop