ハート

ひとりぼっち

あれから大野さんはマメに整骨院に通うようになった。


仕事帰りに寄っているのか、私がいる夜の時間帯にいつも来ているようだ。


彼はとてもオシャレで、いつも仕事帰りとは思えないほどバッチリと決まっていた。

ああいうのをお兄系と言うのだろうか?

あまりファッションには詳しくない私にも、なんとなくわかった。

どことなく遊んでいそうな人で、女馴れしていそうな雰囲気はホストっぽくも見える。

もしかして、本当はサラリーマンじゃなくてホストだったりして…


……あ、でもホストがこんな時間に病院なんか来るわけないか。


想像していて馬鹿馬鹿しくなり、中断する。

余計なことを考えている暇があったら、電気付けの一つでも覚えなければ。






とにかく
彼がいつしか、私が覚えている数少ない患者の一人になっていたことは確かだった。


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