このキズで俺はお前を縛る
「雪乃…頼むから、服、着てよ」

若さゆえの過ち…なんてしたくねえんだよ

雪乃とはそういのは嫌なんだ

雪乃は俺に背を向けると、でかい鞄のチャックを開けてごそごそと荷物を漁り始めた

雪乃の小さな背中を見る

耳の後ろに、傷があった

古い傷跡

事故の傷

一生消えない傷

見えないところで良かったな

髪をアップしなきゃ、そんなに目立たねえ

俺とは違う

俺の背中には大きな傷と、小さい無数の傷が残ってる

俺は男だから、別にいいんだ

傷が残っても

雪乃は…女だからな

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