僕様王子に全てを奪われてⅡ
僕は視線を高波さんに戻した

飯島さんも、生徒希望の人たちの説明に戻る

「おかしいですねえ」

僕は、また首を折った

「俺を馬鹿にしているのか?」

高波さんの口調が、突然悪くなった

低くて、凄んでいる

僕を怖がらせたいのでしょうか?

怯えて、お金を出すのを期待している、とか?

出しませんけどね

全く、出す気なんてないですよ

「馬鹿になんて…してませんけど」

「小切手が使えないなら、現金で払ってくれ」

「現金ですか?」

「ああ、話されたくないんだろ?」

高波さんの視線が、隣にいる男二人に向いた

『せっかく新しい生徒が入るのに…知られたいの?』
と言わんばかりの顔をしていた

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