。*王子たちの恋姫*゚



「ごっごめんなさいっ」



彼女は半泣きになりながら頭を下げる。


…おびえてる。



彼女の声を聞いて、水を被った王子が彼女を見た。



「あんたさ、俺にケンカ売ってんの?」



水が滴る彼は、立ち上がって彼女の顔を覗き込んだ。


彼女はもう、震えて声もでない。



「あーあ。裕を怒らせちゃったね」



安藤直が、楽しそうに言った。



「こんなことして、どうなるか分かってる?」



爽やかな桜井裕が見せる、冷たい目。


なんでそんな目をするの?


周りの生徒たちも、なんで笑うの?



桜井裕は青ざめて彼女の髪の毛を引っ張った。



「何とかいえば?」






ぷちんッ


その瞬間、頭のなかで糸が切れた。



…最低だよ





「…結衣っ!
どこいくの!?」



ちーちゃんの声も、あたしを止められなかった。






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