。*王子たちの恋姫*゚
目の前に、片手に本を持って木に寄りかかる
『王子』がいる。
最悪だぁ…
「天宮結衣サン。
こんなとこで何してんのー?」
少し童顔の茶髪の彼は、オシャレな黒縁メガネをかけている。
メガネの中の瞳の視線は、はあたしの方を見てはいない。
そんな彼の発言に、あたしは唖然としてしまう。
…だって、あたしをこんなことに巻き込んだのは
『王子』ですよね!?
何でのんきに本なんか読んでるの!
しかも
『何してんの』って何ですか?
「あのっあたし、
あんたたちのせいでこんな事になってるんですけど!」
勢い良くそういうと、彼はやっとこちらを向いた。
「あー。そうだったね。
こんなとこまで逃げてきたんだ?無駄なのにー」
可愛い顔のくせに、彼はバカにしたような言い方をする。
「そんなに余裕があるなら…助けてよっ!『王子』ならできるでしょっ?」
「『王子』、ね」
不機嫌な表情を見せる彼。
「悪いけど、俺はあんたを助けない」
「何で…」
「俺、あんたみたいなの
キライなんだ」
「は…」
なんですか、それ!?
「まぁ、見つかるのも時間の問題だろうし」
パンッと本を閉じて彼は微笑んだ。
「生徒会室で会おうね、天宮結衣サン」
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