秘密のお勉強会
「時間は毎日2時間
残りの1時間と30分一緒に頑張ろうね。」
「は、はいっ!」
私はまたまた雅人さんの神々しい笑顔にやられていて、雄二さんが黒い笑みで笑っていたなんて、しるよしもなかった。
「それじゃあ最初の30分は僕、次の30分は雄二、残りの30分は二人で見るよ。
あと、それぞれやっている時は、もう片方の邪魔をしないってことになってるんだ。」
「あっ、そうなんですか。」
別に勉強するだけだし。と、私は深く考えなかった。
雅人さんは私の教科書とノートをパラパラとめくる。
「……ねぇ、結菜ちゃん
本当に、順位は半分以下なの―――?」
「へ? あ、はい。
えっと……その、下から数えた方が早いです。」
何とか羞恥心を抑えながら言うと、雅人さんと雄二さんが何かを相談しあいはじめた。
相談する顔は真剣そのもので、顔がいい二人相手に好きでもないのに顔が赤くなった。
「結菜ちゃん、結菜ちゃんはほんとに素晴らしい素質をもってるね。
ノートで重要な所はピックアップしてあるし、今時の女の子と違ってなるべく少ない色で綺麗にまとめてある。
―――このノートさえ見れば、90点以上は惜しくないってくらいに、ね。」
その言葉の数々に、私は思わず耳を疑った。
何でまた、ノートをつくった本人はこんなんなんだろう……。
私が苦悩してると、雄二さんがポツリという。
「テスト期間中に、お前のノートを貸してる奴は?」
「長谷川君と、真弓と、華織ちゃんの3人です。」
「そいつらの順位」
「えっと、聞いたことないけど、たしかトップ10には入ってたはず、です。」
「それは、きっとお前のノートのおかげだ。」