エージェント・レイ‐狂人の島‐
振り切れそうだ。

その事が分かると、僅かに冷静さが取り戻せた。

次第に頭も働きだす。

…そうだ、港に戻ろう。

私は考える。

島にいたら危険だ。

まずはここから出て、助けを求める事を考えなければならない。

港に行けば、まだここに来た時の定期船があると考えたのだ。

心臓がはち切れるのではないかと思うほど、走る。

まともに呼吸をする事すら忘れていた。

とにかくこの島から出ないと。

身の安全を確保する事。

それ以外には頭の中になかった。

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