そのコップは空(ソラ)だった。



「部活辞めてから、発作が出なくなったのよ。


ときどき薬飲んでる姿を見かけてたけど


あんまり気にしてなかったし。



でも・・・」




姉貴は泣きだした。







俺、なんも知らねぇじゃん。




知っている気でいた。





なのに何も知らない。






ソラに何もできなかった。





何も出来ぬままソラは死んでしまったんだ――――。
























< 64 / 258 >

この作品をシェア

pagetop