時 空 堂

「・・・ううん。なんでもないよ」

 そう言いながらも、俺の鼓動はとてつもなく速い。テレビ番組を次々に変えていく。

 やっとの思いで、ニュース番組をしている画面へと切り替わった。

「火災があり、現在消火活動が行われています。原因は不明です」

 画面の中の男が冷静に原稿を読み上げていた。

「続いて今週の天気です」

 そして画面の男から女へと切り替わった。

 その瞬間胸が跳ね上がった。

 画面の中には俺の望んでいた日付が浮かび上がっていた。

「ねぇ、榊さん」

「はい?潤さん何かありました?」

「今日って何年の何月何日?」

「今日ですか?今日は、X年のX月X日ですよ。ほら、天気予報で言ってるじゃないですか」

 鼓動がさらに速くなる。

 あの日だ。
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