幼なじみと、ちょー接近中!?~約束のラブリング~



「…コイツ、貰ってくわ」


「え…えぇっ…!?」



担がれたままの状態で、思わず声を上げてしまった。

そしてそのままお客さんは教室から出て行こうとする。



「…や…やだっ――!!」


あたしの叫びも虚しく、お客さんはあたしを担いだまま教室を出ていってしまった。



…これは世間で言う、「誘拐」っていうものだよね?


あたしの身体を震えが襲った。



…いっちゃん、キッチンだから気付いてないかな。


お願いだから、助けに来て…!!



あたしは目をギュッとつぶるとおもいっきり叫んでしまった。



「いっちゃん…助けて!!」



だけどお客さんは、あたしを担いでいても無言。

まるであたしの言葉なんか聞こえてないみたいなそぶりだ。



おまけにフードを被ってるし、ほんとに怪しい。



―――怖い、怖い、怖い…!!



あたしの瞳には、自然と涙が溜まりだしていた。




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