流れ星
付きあってから気づいたが、愛菜は謝られると弱い。
頑固そうに見えて謝ると流されて許してしまう。
まぁ、そんなとこも可愛いのだがこれは愛菜に言うと怒るので秘密だ。
「…ん。もう敬語はだめだよ?」
確認するように言いながらこっちを向く愛菜。
もう、無理。
と自分の理性が言ってるのが頭の奥で聞こえた。
ちゅっ
短いリップ音だけを残して軽いキスをする。
案の定、愛菜は目を見開いている。
そんな反応すら愛しくて笑ってると、一気に愛菜の顔が赤くなった。
「…ひっ!人前でそう事するのやめてって言ったじゃん!」
こんなに可愛いのに何で同じ会社の奴らは気付かないんだろうと思ったが、気付いてしまったら愛菜を奪われるかも知れないので誰にも教えない。
教えたところでさっきの同僚の様に変な顔をされるのが落ちだが。
「大丈夫だよ?だってみんな空見てる」
そう言うと愛菜はきょろきょろとあたりを見回す。
さっきの香織達の様に愛菜をぐいっと引っ張って、膝の上に乗せる。
「何するのっ!やめなさい!」
年上らしく注意するがナツには全然効き目がないのに、愛菜は気付いていない。
「いいじゃん。ほら、空見よ?超、綺麗」