流れ星




中学までは一緒でもさすがに高校も一緒というわけにはいかない。
だから、早く告白しないという焦りもあった。

結局…告白したのは高校の入学式の日、ぎりぎりだった。

その後、付き合い始めたのはいいが、中学の時からもてていた美優がほかの男に…と不安だらけだった。
普段一緒にいてやれない分は美優の親友で俺の友達でもある、佳乃が目を光らせてくれている。

美優のためなら俺は何でもできちゃうのになぁ…と思うが高校が違うならどうしようもない。
何回か一緒の高校にしようか迷ったが振られたとき気まずいし、それに何より弁護士になるという自分の夢を捨てたくなかった。


美優より夢を選んでしまう自分にいらついた時もあったが、今は後悔してない。


少しの時間しかないが美優ともいられるし、法律の勉強も少しづつであるが進めていける。



「よし!拾い終わったっ早く座って見よ?」


ぼーっとしていた康太の顔を美優が覗き込む。
少し赤くなってしまった顔を隠しながら、立ち上がる。

「あそこにするか!」


顔を見られないように、遠くの方を指差す。
‘うん’と美優は頷くと康太の腕にするりと掴むと歩きだした。

美優の性格は把握している康太でも、こういう積極的な美優には尊敬するしかできなかった…





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