俺様のち王子。[完]
一瞬神谷の表情が曇ったかと思えば…
「ふーん。要するに要求不満だったんだ。」
ニヤッと微笑むいつもの俺様神谷になっていた。
し…しまった。
「そーんなに俺とキスしたかったんだあ?」
あぁ…もう最悪。
このペースになったら
もう神谷の思うつぼ………
「だったら今からキスの1つや2つしときますか?」
「……や…やっぱ結構で…キャッ」
断ろうとした瞬間、私は壁に押さえ付けられキスされていた。
「…んッ 苦しぃッ」
角度を変え何度も…何度も
初めての大人のキスに酔いしれて
意識が朦朧としているとき…
「唯…もう離れんなよ。」
寂しげな表情で神谷は、そう言った。
キューン!
その顔でその台詞は反則っ!
「…神谷っ…好きっ!」
私は、満面の笑みで答えた。
「……俺も。」
そう呟く神谷の顔は真っ赤で…
そうして2人は、お互いを強く強く抱きしめた。