先生にキス〈３〉

「バレること…本当に怖くないんですか？」



「怖くないよ。そのことよりも何よりも和丘が大切だから。」



並木君は、先生を見ると舌打ちをする。



なんか先生の言葉が気に入らなかったっていう顔…。


「並木、人の心って強引に奪い取ろうとしても奪えないよ。無理矢理こんなことしたって、ますます離れていくだけ…。違うか？」



先生は真剣な目で並木君に話りかける。



並木君は何も言葉を発することなく先生を睨むようにして見続ける。



「愛ってさ、無理矢理どうこう出来るものじゃないと思うんだよな。ゆっくり育てていくから、とびきりの愛情が芽生えるんだと思うよ、俺は。」



先生は真剣な表情を緩めて並木君にも柔らかな笑顔を見せた。