先生にキス〈3〉
「……。」



並木君はずっと黙ったまま先生の言葉を聞いていた。


今の先生の言葉を聞いた後、ほんの少しだけ表情が気まずそうな風に見えたけど……



なんか伝わるものがあったのかな……?



「さあ、そろそろ戻るぞ。点呼が始まってる。」



そっか…そんな時間だっけ…。



私も並木君もホテルに戻ろうと歩き始めようとすると、



「並木、最後にこれだけ言っておく。」



そう言って先生は並木君に顔を近付けた。




「今後、和丘に手出したりしたら、俺…何するか分からないからな。」



低くて怖さすら感じるような声…。



並木君は直ぐに先生から視線をそらして、先にスタスタと歩いて行ってしまった。




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