特等席はアナタの隣。
黒崎君を意識しすぎて、カラオケを楽しむどころじゃない。

皆が盛り上がってる中、私と黒崎君だけは静かだった。


「モカちゃん?楽しんでる?」

左隣に座る男の子が声をかけた。
慎君と同じ男子バスケ部の高橋健君。爽やか系なのも同じだった。

「そうよ!モカ!どうせなら楽しむわよ!!」

右隣の麻美がイェーーイ!!とはしゃいでいる。


「う、うん…」

そんな気分にはとてもなれないけど、そう返事をしておいた。

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