特等席はアナタの隣。
「………む?」
高橋君が何か話しかけている。

「え?ごめん、何?」
音が大きすぎて、声が聞こえない。


「飲み物何か頼む?」

顔を近づけて、高橋君が耳元でもう一回言う。


「ううん、平気…。ありがとう」


「顔色悪いけど…。気分悪いなら…出る?」

心配そうに背中をさする高橋君。



その手が、すごく嫌だった。

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