Bitter&Sweet



さて



ゆっくり姫の部屋へ向かい



コンコン


ドアをノックする


「姫?」


だけど返事はなくて


「姫?入るよ……」

ドアノブに手をかける
すると


「ダメ!!!!」


姫の怒った声


当たり前だけど



「姫……ごめんな。
急に美紅さんが来て驚いただろう」


ドアに手のひらを付けて
ゆっくり話す


「見合いの事、黙ってて
本当にごめん

だけど、最初から断るつもりだったから
姫には言わなかったんだ」



少し、間を置いてみるけど
姫からの返事はない



「姫………」



「別に……
言い訳なんてしなくていいっ……」


絞り出すような姫の声



「結婚でも、なんでも…すれば?
私が邪魔なら出て行くよっ」



ああ、やっぱり相当いじけてる


参ったな


どうやって誤解を解こうか?



こんなに こんなに大切なのに



姫が邪魔なわけないのに



ずっと ずっと
一緒にいて欲しいと


いつも願ってるのに




この想いを伝えられたら



伝える事が許されたなら



どんなに いいだろう


オレが愛してるのは


姫ただ1人だって



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