Bitter&Sweet

南サイド




ベッドの中 もぐり込んで



「姫?とりあえずさ、ちゃんと顔を見て話そうよ」



ドアの向こうのお兄ちゃんの声を聞くけど



「いやっ!
私の事は放っておいて

美紅さんと仲良く夕食でもすれば?」



心に生えた棘を隠すことなく
前面に



「美紅さんは帰ったよ
ほら、出ておいで姫」



出ておいでって
私はワンコじゃないもんっ



「絶対いやっ!」



みのむし みたいにお布団の中にくるまって叫ぶ



「はぁ………
わかったよ、姫
もう…よくわかった」


お兄ちゃんの ため息まじりの声


なによぉ。もう あきらめるの?



そう思った時



―――――――ガチャン


ウソ


ドアが開く音がして


「家の部屋には鍵ついてないからね
入ろうと思えば入れるよ、姫」



お兄ちゃんがズカズカ私の部屋に入って来て



「ほらっ!顔を見せなさい姫」



私の布団を引き剥がそうと



お兄ちゃんが布団を引っ張った



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