Bitter&Sweet



―――――ガチャン……


姫の部屋にそっと入り



 ギシッ……
ベッドに座る



ぐっすり眠る姫の
前髪をかき上げるように
撫でると視界に入る枕元


黒猫のぬいぐるみが置かれてる



それは姫が高1の
バレンタインに
オレがプレゼントした物だ



姫は あの頃を知らない
覚えていない




 『勝手に部屋に入るなっ』



反抗期だったのか
オレに対する態度が
かなり冷たかったな



それもまた可愛かったけど




夏が始まる頃
急に姫が
オレの家に泊まりに来て


キスをして
『好き』って言ってくれた



あの時、
なんで他に女が
いたんだろうって
すごく後悔した。



好きなのは姫だけでも

他に女がいるって事実が

せっかくキスできたのに

ケチがついた気がして

しばらく姫に会うの我慢して

全部 他の関係を綺麗に切った




雷の夜に初めて身体を重ねて


ずっと ずっと ずっと
我慢してきた


姫を愛してるって気持ちを


素直に伝えられる事が
嬉しくて…………………


一生、姫と一緒にいたいって



姫と幸せになりたい


オレが姫を幸せにしたいって



兄妹だなんて知らないで


幸せになれるって信じてた……




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