Bitter&Sweet
離ればなれ

南サイド




「………………」


目を開くと見慣れた天井。



カーテン越しに
眩しい朝日が入る



…………もう朝かぁ。


「んーーーっ」と伸びして
上半身を起こすと
昨日の服のまま



……………昨日?



  本郷先生…………



そうだ。また やっちゃった。


酔って寝ちゃったんだ。


どうやって帰ってきたんだろ?


本郷先生が
お兄ちゃんに連絡して
迎えに来てくれたのかな?



ああ、またお兄ちゃんに
呆れられるなぁ………



頭をかいて見上げた壁掛け時計



  7時25分



ああっ!
私は今日 準夜だからいいけど
お兄ちゃん、出勤しちゃう



バァン
勢いよく部屋を飛び出して
リビングへ入ると



ソファーの背もたれに
ジャケットをかけ


コーヒーをすする
ワイシャツの背中があった。


テレビは
スポーツニュースをやっていた



「お、お兄ちゃん……
ゆ、夕べはごめんなさい」



リビングの入り口に
突っ立ったまま謝ると



お兄ちゃんは こちらを向かず



「別に、オレは何も」



「お兄ちゃんが
迎えに来てくれたの?」


「………いいや。
新が姫を抱っこして
ここまで来てくれたよ」



…………本郷先生が。


本郷先生に抱っこされたなんて


あんな話を聞いたから


どんな気持ちで私に触れたのか
想像すると すごく怖かった。



< 200 / 261 >

この作品をシェア

pagetop