Bitter&Sweet
バタンッ
自分の部屋に戻り
ドアを閉めると
スルスル…………
身体中の力が抜けて
床に座り込んだ
………わかってる
おかしいのは私なの。
お兄ちゃんが好きなんて
私だけのモノにしたいなんて
異常なの おかしいの
わかってる………けど
姫
お兄ちゃんは いつも いつでも
私を大切にしてくれたから
勘違いしちゃったんだよ……
「………う……うっく………」
涙がポロポロこぼれて
嗚咽をもらして泣くと
………コンコン
ドアをノックする音がして
「……………姫?大丈夫か?
さっき、なんだか様子が
おかしかったから」
開けるよ?
お兄ちゃんがそう言ったから
「…………やめてよっっ!」
ぐちゃぐちゃの
気持ちのまま叫んでた
「もう、やめてよっ!
守れない約束ならしないでよ」
力いっぱい叫ぶと
身体中が震えた
でも哀しみは減らない
ぐちゃぐちゃな気持ちは
ドロドロに変わって
「嘘つきって…………
自分で認めるなんて………
ズルいよ……………
私は…………」
私は
ずっとお兄ちゃんを信じてた
そう言いたかったけど
止まらない涙が
私から言葉を奪い
「………………ごめん」
お兄ちゃんは低い声で呟き
部屋から遠ざかる
足音が聞こえた