Bitter&Sweet
――――――ガチャン…
鍵を開けて玄関に入り
靴を脱ぎながら
「ただいま……」って言うけど
シ―――――ン
………あれ?
姫の『おっかえり~』がないぞ
「?」
おかしいなぁと思いながら
「姫?」
リビングに入ると
ソファーの端から
丸いかかとが見える
あれ?もしかして………
ソファーの背もたれから ヒョコリとのぞくと
やっぱり
ソファーに横になって
オレのお姫さまはスヤスヤ夢の中
まだ12時前だけどなぁ
こんな ところで寝たら風邪ひきますよ お姫さま
仕方ない、部屋まで運びますか
姫の細い肩、膝に手をかけて
抱き上げると
「………………酔ってるかなぁ」
オレに抱っこされてぐっすり深く眠る姫の顔を見てたら
「……酔ってるのかなぁ?オレ」
離したくないな
今夜はずっと一緒にいたい
可愛い姫の寝顔を見ていたい
柔らかい身体を抱いていたい
姫の部屋へ向いてた足は
自分のベッドルームに向かってた
そう 姫が記憶を失う前までは
一緒に抱き合って眠った
ベッドに向かって歩いてた