Bitter&Sweet



ベッドの上 悶々と考えると



――――――――――ギシッ



私の目の前に

いつの間にか お兄ちゃんがいて

私の膝の前に片手をつき

そっと私の前髪を一筋
優しく掴んで



「嫌だった?」




       ドキンッ




私の目をのぞきこむ

お兄ちゃんの目は


すごくセクシーに感じて


やだ。実の兄に…セクシーって……私、 やらしい




一気に
顔が熱くなってうつむいた



「………嫌…じゃないよ……」



恥ずかしくて声が上ずった



「そうか」


お兄ちゃんは
私の頭を優しく撫でて



ベッドから降りクローゼットから着替えを出した



「お兄ちゃん……」



少し長い間をおいて
クローゼットを向いたまま
お兄ちゃんは「なに?」って低い声で言った




「なんで私…ここで寝てたの?」




………バタン


クローゼットを閉めて


「シャワー、先に使っていい?
朝食はオレが用意するから」



私を一度も振り返らずに
お兄ちゃんはベッドルームを出て行った



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