吸血鬼と紅き石

「どうした?最初の啖呵の割には手応えが感じられねェが」

どこまでも闇で塗りつくされたような、暗い昏い、暗黒の空間。

力を凝縮させた光剣片手に悠然と立つレンバルトの前には身に纏う黒衣も、その身体のあちこちにも傷を負い、艶やかな髪も乱れた、ヴェイラと呼ばれた女吸血鬼。

「フフフ…流石は灰霧の王と呼ばれるだけあって、一筋縄じゃいかないようね」

目に見えて圧されているのに、女は悠然と唇に笑みを刷く。

「リイエンを人質にでもとったつもりか?生憎、そんな小細工、俺には通用しねェが」

娘の居場所を欠片も零さぬ女にレンバルトの形良い唇が言葉を紡ぐ。

「その程度の事、理解しているわ。レンバルト…あなたこそわたくしを見くびらない方が良いんじゃないかしら?」

光剣を持ち直した女が、明らかな劣勢にも変わらず強気な言葉を口にする。




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