three times love
Light Rose

逃走

「おい、レイ。」




ケンジは




振り返りながら言った




「置いてくぞ」




「あぁ、悪い」





ケンジの言葉に



ようやくレイは動き出した




私は少しホッとして




前を見た





『ケンジ』




「何?」




笑顔で返すケンジ




普段はふざけてるけど




ケンジも顔整ってるもんね




笑うとカワイイ




まぁ



レイには負けるけど





『手』





「何?」




『いつまで繋いでるの?』



「いいじゃん」





よくない






レイ見てるのに







『放して』





「やだ」





『何で?』





「好きだから」





『ケンジ軽いね』




「オレはナオ一筋」





『意味分かんない』





「何で?」





『何で私なの?他にいるでしょいっぱい』





「ナオがいいの」





『とりあえず手、放して』




「嫌?」





『そうじゃなくて』





「ならいいじゃん」









『歩きにくい』






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