切ナクテ、恋シイ、ヒト。
そして2学期も終わる頃、
彼は仙台へ転校するという話を聞いた。
そんな遠くへ・・・。
アタシは彼に何でもいいから何か伝えなければと思った。
今度こそ。
これが最後になるのかもしれないから。
そして2学期の終業式の日。
「遠くに行ってしまうんやね」
アタシは勇気を振り絞って彼に聞いた。
勇気を振り絞ってもそこまでしか言えなかった。
「そんなに哀しそうな顔せんといて。
必ず迎えにくるから・・・」
彼はいつものやさしい笑顔でそう答えた。
え?それって・・・。
「じゃあ」
ぼんやり立っているアタシに少し照れた彼は
そう言って駆けていった。