切ナクテ、恋シイ、ヒト。

そして2学期も終わる頃、

彼は仙台へ転校するという話を聞いた。





そんな遠くへ・・・。

アタシは彼に何でもいいから何か伝えなければと思った。




今度こそ。

これが最後になるのかもしれないから。




そして2学期の終業式の日。


「遠くに行ってしまうんやね」

アタシは勇気を振り絞って彼に聞いた。




勇気を振り絞ってもそこまでしか言えなかった。



「そんなに哀しそうな顔せんといて。

必ず迎えにくるから・・・」




彼はいつものやさしい笑顔でそう答えた。




え?それって・・・。



「じゃあ」

ぼんやり立っているアタシに少し照れた彼は

そう言って駆けていった。


< 34 / 360 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop