君といっしょ。

4.過去


.゚*美愛*゚.


李都から全てを聞いた。


ずっと聞きたいと思っていたのに、聞いたことを後悔している自分がいる。


李都はいじめられていた。

李都は私に憧れていた。


私が後悔しているのは、李都の過去を知ったからじゃない。李都にこんなに苦しい過去を、聞き出そうとしてしまったことを後悔した。



「…ご、めんね…」



気付けはこんなことを口にしていた。


心から謝りたかった。


何も知らないで、李都の過去に触れてしまったこと。

あの後、何の力にもなれなかったこと。



もしかしたら、傷ついた心を、またこじ開けてしまったかもしれない。



そう思うと、胸が痛くなった。



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