超人気トップモデルができるまで【完】
「美鈴さん、到着しました!」
スタジオへ入ると言われるこの言葉。
今もまだなれない。
この言葉で、色んな人の視線があたしに向くからだ。
「し、失礼しまーす」
とりあえず挨拶をすると、早速スタイリストさんに渡された服に着替える。
着替えは、いつも緊張する。
破らないか心配で、恐る恐る着替える。
「着替え終わりましたー」
「次、美鈴ちゃんこっち!」
着替えを終えると、ヘアメイクさんのもとへ招かれる。
いつもと同じ。
あたしが落ちたくらいで何も変わらないのは当然なんだろうけど。
…ちがうのは、あたしの気持ちだけだった。