続・幸せの契約
驚く俺とは対照的に
田中は今にも泣き出しそうだった



「どうしたんだ!?
何があった?」


俺の問いかけに
田中は一枚のメモを差し出した


「夕方、鈴様が静香様と予定があるとお出掛けになった後、お部屋で見つけました。

静香様に確認をいたしましたら、本日は鈴様とはお会いにはならなかったと。

未だにお戻りになりませんし…ご連絡もありません。」


メモを読んだ瞬間
胃がギュウッと絞め上がった


そして
手が震えだし
全身から血の気が引いていく


“婚約は解消します。”



何故だ?
どうして!?


「一緒にこれらが置いてありました。」


田中は契約書と携帯電話を差し出した



本気…なのか…



本当に…鈴は…出ていった?
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