続・幸せの契約
「時に…少し話したいことがあるんだが、いいかな?」


「話し?」


蔵之助さんに促されて
大和さんと一緒に応接間に入った



ベルベットのソファに大和さんと並んで
蔵之助さんに向かい合うように座った


「鈴ちゃん…。」



「…はい。」


いつもよりも一段と引き締まった声としっかりとした瞳が私を緊張させる


「契約を破棄しよう。」




「…え?」

蔵之助さんの言葉に思考回路が停止する



契約を破棄する?


蔵之助さんと交わした私の
“幸せの契約”


それを




破棄!?




「ど…して…?!
私が勝手に出ていったからですか?

大和さんとの婚約を破棄するって…言ったから…?」



思わず
声が大きくなって
取り乱す私に蔵之助さんはゆっくり首を振った



「違いますよ…。

鈴ちゃんにはもう、こんな契約は必要なくなったんです。」



は?

蔵之助さんの言葉に私の頭はますます混乱した
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