水晶の傷跡

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 大きな紙袋をいくつも椅子の横に置いて、目の前にはホットカフェモカ。その横にはスコーンが一切れ。目の前には二人のお姉さまとで、私の横にももう一人。

 紙袋の中身はといえば、当然大量の衣類、アクセサリーであるわけで、ついでに靴の入った箱まで。

 こんなに買って大丈夫なの? 私の財布は大丈夫なの!? と焦りながら試着を繰り返していた私だけれども、そのお会計は全部お姫様方がもってくれた。

 さすがに高い買い物であるわけだし遠慮はしたけども「年上が奢るって言ってくれたら甘えるの。わかった?」とゴリ押しで奢られてしまった。

「楽しかったぁー! やっぱ素材がいいと着せ替えは楽しいね」

 モエギさんはどうやらご満悦。喜んでもらえるのはいいけども、やっぱり褒められるのはくすぐったかった。
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