【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙③〜
「左大臣の一の姫といえば、都にならびたつ姫のないほど、お美しいとか」

「楽の才も、一角でない優れようというお噂なれば」

「二の宮様はお幸せで」

そのように、人々の声高に囁かれる中を、一の君は、

(いかにも)

とお思いになるのをお隠しになって、うつむきがちにお歩きになっておりますと、市に並びます、珍しい品、美しげな小間物などの数々が、なんとはなしに目に入って参ります。
< 21 / 33 >

この作品をシェア

pagetop